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January 26, 2006

仕事納め

これまで勤めてきた非常勤(いわゆるパート)の講義をすべて終了しました。あとはレポートを採点して、成績をつけて、それで全部おしまい。来年は専任(いわゆる正社員ということ)です。ありがたいことに、それでも非常勤の継続を請われましたが、お断りしてしまいました。時間的には可能だったかもしれません。でも今年はもうひとつ大事にしたいことがあるので・・・。母に話すと、母的は理解できない選択だったようですが、それは世代差?それとも私が甘い?(笑)ま、大丈夫でしょう。自分で選んだことですから、どんな結果が出ても納得できます。

今年は研究プロジェクトの研究員として事務局を担当し(会議の準備、ホームページの更新、ニューズレターの発行など)、あと2つの学校で非常勤の講義を持っていました。昨年は4つの学校で6つの講義をしました。その前の年は、講義が重なる一番多い時期で9つの講義を、名古屋・京都・大阪でしてました。本当に本当にきつかった。というか、限界を超えて病気になりました。そして、いつもイライラ、泣きながら朝まで講義の準備をしてたこともあったし、精神的にも辛かった・・・。それでサーフィンもしてたから、なおさらです。

そんなことしてたから研究の方が遅れをとって、なかなか論文が発表できなかったわけですが、そうでないと生活できなかったし、自分で失敗してみないとわからない要領の悪い奴なので、あれはあれで私らしいかなと。おかげで講義のスキルは格段にアップしたし、さまざまなオーディエンスに触れたし、何人の聴衆がいようと、どんな講義でもできる自信がつきました。もともと大勢の人の前だと急に水を得た魚になるお調子者だし、教員の中では若いし、色黒いし(?)、もとはアホ学生だったし、今も難しい言葉で話せないから、おかげさまで学生受けは良い方です。特に今年は講義が2つなのでこちらに余裕があり、それは学生にも伝わるようで、こちらが心配になるくらい私語をする人なんていないし、真摯です。そして講義の評価(今はどこの学校でも学生が授業評価をする)では、とても良い評価を書いてくれる人もいるんですよ。こういうのを読むと、多感で貴重な人生の一時期に、少しはお役に立てたかしらと嬉しくなります。

教壇に立つのは孤独ですから、どうしても学生に好かれたいという下心がわいてくるものですが、大事なのは学生を成長させることであって、時には嫌われ役も引き受けないといけません。これがスケベ心いっぱいの私にはこれまでなかなかできなかった点だと思いますが、今年はそういう気持ちを断ち切れた気がしています。宿題も多いし、出席も取るし、講義の内容も多かった。それでも今までで一番反応に手ごたえがあったと思えます。面倒なのがイヤな学生が逃げただけ?(笑)まあ、それは仕方がないことです。

講義をするときに心がけているのは、常に本題に帰ること。なんでこの講義を受けてるの?何か役に立つの?そもそも、なぜ勉強するの?何のために勉強するの?大学にきた意味って?この講義全体の到達目標ってどこ?その全体の中でいまどの位置にいるの?何が達成できた?何ができなかった?こういうことを、いつもいつも学生と確認しながら進もうと思っています。大きなお世話かもしれません。でも、大学生が大多数を占める大学という特殊な世界にいると、要領の良いこと、華やかなこと(お勉強よりファッションに熱心とか・・・)の方がかっこよく大事思えて、簡単にそちらに流されてしまいがち。でも外の大人の世界はそんなに甘くないから、やり過ごしたことはあとからちゃんと直面するようになっている。たとえ学生時代に要領良く単位をそろえても、そのために勉強したことなんて何一つ身についてない。それでは4年間があまり空虚な時間になってしまう。そうでなくて、講義は自分自身を成長させるためのチャンスの一つにして欲しい。成績なんかにつながらなくたっていいじゃないですか。今まで知らなかった知に触れたとき、面白い!とか、へー!とか、目からうろこ、とか、それは違う!とか。自分の心が動いたかどうか、少しでも前に進めたか、そのほうが大事なんです。教員がちょこちょこつける評価なんてちっぽけなものです。その人に眠ってる才能まで見出すような採点方法なんてなかなかあるもんじゃないんだから。大切なのは、自分が成長したかどうか、その一点なのです。

要領良く単位をそろえて卒業しようとする学生、学ぶことの意味を忘れて本末転倒してしまった学生。それはまさに、かつての私の姿です。ほとんどはそうじゃないけど、かつての私のように本当に大切なことを見失っている学生がいるならば、今、気づいて欲しいと思う。だから当たり前のことを何度も一緒に確認するのです。なぜ学ぶのか、そして周囲の評価に流されず、自分の頭で考えることの大切さを。教育の力を甘く見る人ほど、実は大勢に流されていることに気づいていないものです。

一見、お気楽見える学生でも、何に悩んで、何に絶望して、何に心を動かされているのか、私にはほんの少し余分にわかる気がします。義務教育と魂のない教員、そして過干渉な親によって押し殺されてしまった主体性と自信を、取り戻すことは難しくても、せめて押し殺していることに気づくことが必要です。知識を伝えることとおなじくらい重視するのは、学生たちのエンパワーメントです。10代後半から20代前半の若者は、スポイルされること、管理されることには慣れていても、大人として尊重されることに慣れていません。でも、私が大学時代に一番好きだった先生は、学生一人一人を大人として丁寧に扱ってくれました。私はまだまだ未熟ですのでいろいろ思うことはありますが、あのときの先生の姿勢は忘れたくありません。講義が わからないのは学生がバカだからではなく教員の能力のなさのせいです。横並び意識の強い、そして大学全入時代を迎えた日本では、高い教育を受けることに全く誇りをもてなくなっている。でも、本当の意味で学んだと思える何かがあれば、胸をはれるんじゃないですか。自尊心を取り戻すことは、知の獲得の大きなモチベーションになると信じています。

こんなにストレートになんのオチもない文章、書いてるこっちが恥ずかしいですが、これが現在の自分。今の気持ち。まだまだ余裕がありませんね~(笑)だからこれからもっともっと教育も、研究も、スキルを磨いていきたいです。一緒に学んでくれた学生に感謝してます。

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