柔軟に、求められているものを
今日は体育の日スペシャルということで、NHKでオリンピックのドキュメンタリーを再放送していました。仕事に行く前に始まってしまい、つい引き込まれて、出るのが遅くなりました。しかし、遅くなるに値するほど、良い内容だった~。
見たのはソフトボール上野投手と、柔道の石井選手のもの。上野投手のほうは、前に一度見て、今日も見て、同じところでぐっときました。本当にいいですね、かっこいいったらない。あれほどの輝きは、スポーツでしか出ないものだと思います。女子のスポ根ものが、昔から大好きです。
2本目の石井選手のほうは初めて見ました。つい先日、柔道はやめてK1への転向を宣言した石井選手ですが、今日、その理由がドキュメンタリーを見てわかったような気がします。彼はもう、日本の柔道界に、見切りをつけたのでしょう。一本にこだわる日本の柔道は、もう勝てないところに来ているそうです。フランスの柔道人口は日本の5倍もいるんですって。ヨーロッパ各地の少数民族の伝統相撲などの影響もあって、技が信じられないほど進化しているのです。石井はそんな現状をいち早く察知し、一人でヨーロッパに遠征合宿を重ね、柔道ではなくJUDOを磨いていました。
日本人から見ると、下手に組み合うのを避ける、勝ちにこだわる彼の戦法は、人気がなかったそうです。でも、ふたを開ければ、結局男子でメダルが取れたのは、この石井と内芝だけ。技に優れた日本人好みの選手は、初戦で敗退していきました。石井のしてきたことが間違っていなかったのが、証明された瞬間でした。
それなのに日本の柔道界は、こんな才能ある世界に通じる新星を、あっさりと手放してしまうようです。残念でなりません。後輩にも良い影響があったでしょうに。
本人には、やりきった思いもあったのかもしれません。自分を信じ、努力を重ね、一番の結果が出た。もう、それだけで良いのかもしれませんね。ああ、しかし、もったいない。
彼と柔道界との関係は、日本のあらゆる組織や領域において、今起こっていることの縮図のように見えます。石井選手はイチローの本をよく読んでいたようですが、野球界も同じかもしれない。最高に才能ある人が、日本でプレーしていない。科学の領域も似ています。ノーベル賞をもらった何人かはアメリカの大学に所属していますが、日本の研究室では十分な研究ができなかったと言っています。
石井の言葉はどれも素晴らしかったですが、印象に残ったのは、「求められているものを、柔軟に、柔軟な頭で考えて、出せる人間が勝つ」、「一番最初にそれに気づいて、行動できる人が勝つ」というもの。私にもこれは、自分の生きている場所で応用できそうです。大学は、学生の求めているものを出せなければ、もう生き残れません。学生の求めるものの中には、ええー?!と驚くようなものもあります。びっくりします。が、昔の考え方では、だめなのです。地道に、彼らに向かい合って、絶えず工夫をこらし、進化をしたいと思いました。


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